むくみや便秘を改善する薬膳~湿証~

目次
あいさつ
こんにちは!薬剤師・国際薬膳師のツカダマホです。
GWが明けてから、しわ寄せのように激務をこなしていますが、最近むくみや胃腸風邪になる患者さんが多いかなと仕事をしながら思いまして、このテーマにしました。
今日は、2つの証をピックアップします。
むくみや便秘に関わる湿証とは?
湿証の定義は、津液の代謝異常によって現れる水湿内停の病証です。
津液とは、体内の水液の総称で、栄養作用がある水分のことです。この水分が体の中で巡らず停滞してしまうことで、様々な悪影響を起こすことを言います。むくみや痰も、湿が滞ることでおこります。
黄帝内経素問には、「水益が胃に入ると、精液を作り、脾に送られる。脾気は精気を散布しながら上昇し肺に送られる。肺気は体内の水の通り道を調整して膀胱へと送られる。水液の精は四方に行き渡り、五臓の経脈を流れ、同時に四季の変化や五臓の陰陽の規律に従い、適切な調節作用を行う」と書かれています。津液を生成し、流れることで分散や排泄が行われます。そうすれば、自然に五臓の働きは正常に保たれるということです。
では、津液が滞ることで、どういった症状がおこるかみてみましょう。
基本的な湿証の症状
共通の症状として、体がだるい・みぞおちがつかえ・食欲がない・吐き気・嘔吐・膨満感・下痢しやすいなど です。
これは、湿の停滞により気機の運行が阻滞され、特に脾気の上昇と胃気の下降が正常に行われなくなるからです。
脾気が停滞すると、食欲がなくなり下痢をしやすくなります。
胃気が今度は上昇してしまうと、吐き気・嘔吐・膨満感などの症状が現れます。
湿は、重濁性なので体がだるくなる原因にもなります。
大腸湿熱証
共通の症状に、腹痛・下痢・排泄してもすっきりしない・喉の渇き・肛門の灼熱感 などです。
湿熱が大腸に侵入して下痢が起こった場合です。
この場合は、熱と湿を取り、便通を改善させる働きがあります。
おすすめの薬膳
・豚汁
薬膳食材:大根、こんにゃく、豆腐、(里芋、豚肉、人参、ごぼう)
大根:涼性/辛味・甘味/肺・胃
順気消食・下気寛中:食積脹満、嘔吐、吐き気、下痢、便秘
清化熱痰:肺熱咳、痰多、痰黄、声がれ
こんにゃく:寒性/甘味/辛味/脾、肺、胃、大腸
清熱通便:消渇、便秘
豆腐:寒性/甘味/脾・胃・大腸
清熱益気和中:肺熱の咳・喘息、食欲不振
生津潤燥:消渇、便秘
体の熱を取り除き、便通を改善させる効果の薬膳です。
温かい豚汁で、冷えないようにしています。
脾虚湿盛証
症状:共通の症状に、顔色が萎黄・疲れやすい・下痢・体が思いなどの症状です。
脾の働きの低下により水が停滞し、むくみまではいかないが体が重くなる症状です。
この場合は、気を補い脾の働きを整えつつ、体の湿を取る薬膳になります。
・カルパッチョ~鯛・スズキ・アサリ~
薬膳食材:アサリ、スズキ、ブロッコリー、(鯛、レタス)
あさり:寒、甘、えん味/肝、腎、脾、胃/化痰類
清熱化痰:黄痰、粘る痰、痰熱の咳
潤燥止渇:喉の乾燥、口渇、肺虚の咳
スズキ:平(温)性/甘性/脾、胃、肝、腎
補脾益腎:食欲不振、むくみ、足腰のだるさ
止咳利尿:咳・喘息、むくみ
気を補う食材は、ブロッコリーを用いています。
ブロッコリーは補気類に分類されます。
タレは、醤油ベースでいただきました。
醤油、酢、砂糖、豆板醤、少しごま油です。
鯛もスズキもたんぱくなので、しっかりめのソースがおすすめですよ!
まとめ
気温差が大きくなり、日中は汗ばむほど熱くなってきました。
体の湿がたまりやすく、その原因も少し理解できれば嬉しいです。
毎日の体調変化に是非薬膳を取り入れてみてくださいね!
ツカダ マホ
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